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せ(助動)〔尊敬の助動詞「しゃる」の命令形「しゃれ」が「しゃい」「せえ」を経て「せ」となったもの。 「っせ」の形で用いられる近世江戸語〕IIせ(助動)※一※尊敬の助動詞「す」の已然形・命令形。→ す(助動)※二※使役・尊敬の助動詞「す」の未然形・連用形。→ す(助動)※三※過去の助動詞「き」の未然形。 常に接続助詞「ば」の付いた「せば」の形で用いられる。→ き(助動)→ せば(連語)IIIせ【兄・夫・背】(1)女性から見て, 同腹の男の兄弟をいう語。 年上にも年下にもいう。
「言問はぬ木すら妹と~とありといふをただ独り子にあるが苦しさ/万葉 1007」
(2)女性が, 自分の恋人や夫をいう語。「事しあらば小泊瀬(オハツセ)山の石城(イワキ)にも隠らば共にな思ひ我が~/万葉 3806」
(3)一般に, 男性を親しんで呼ぶ称。「岩根踏み山越え野行き都辺に参ゐし我が~を/万葉 4116」
⇔ 妹IVせ【瀬】(1)川の水が浅く人が歩いて渡れる所。 あさせ。⇔ 淵「~を渡る」(2)川の流れの速い所。 はやせ。「~にのまれる」
(3)海流の流れ。 潮流。「潮~」
(4)置かれている立場。「立つ~がない」
(5)機会。 機縁。 場合。「逢う~を楽しむ」「浮かぶ~がない」
(6)そのところ。 その点。V「憂きにも嬉しき~はまじり侍りけり/源氏(柏木)」
せ【狭】〔「せ」は形容詞「さし(狭)」の「さ」と同源〕せまいこと。VI「…も狭に」の形で, 狭くなるくらいいっぱいにの意で用いる。 「山も~に咲けるあしびの/万葉 1428」
せ【畝】尺貫法における, 土地の面積の単位。 一段の一〇分の一。 三〇坪。 三〇歩(ブ)。 約1アール(100平方メートル)。VIIせ【石花・石蜐】カメノテの異名。 せい。 [和名抄]VIIIせ【背・脊】(1)動物の胴体の, 背骨のある側で, 胸や腹と反対の面。 せなか。「壁に~をもたせかける」「馬の~」
(2)うしろ。 背面。「山を~にして立つ」「椅子(イス)の~」
(3)身長。 せたけ。 せい。「~の高い男」
(4)山の尾根(オネ)。「山の~」
(5)本の部分の名。 製本で, 本の中身を糸などで綴じた部分。 また, その部分をくるんだ表紙の部分。→ 製本~が立・つ(ある深さに対して)身長が上回る。 底に足が届く。「深くて~・たない」
~に腹はかえられぬさし迫った苦痛を逃れるためには, 他を犠牲にすることもやむを得ない。~を向・ける(1)後ろ向きになる。(2)相手の意志に従わない。 また, 冷淡な態度をとる。IXせ【諾】承諾の意を表す語。 はい。 うん。「親のまもりける女をいなとも~ともいひ放て/後撰(恋五)」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.